介護認定調査員の前で母はなぜ何でも「できる」と返答するの?

本日は介護認定調査員さんが来る日なので 実家に行きますと、
母はてっきり病院の日と思い込んで、「今日は病院へは行かない!」と
声を荒げて怒鳴り出しました。

それで、今日は病院ではなく 介護認定調査員の人が面接に来ると伝えると、
先ほどよりもさらに大きな声を出して
「あんたどうして家をかき回すの? 勝手なことをしてから!」と怒り心頭です。

どうやら、許可を得ずに母の知らないところで わたしが勝手に物事を
進めていると思い込んで、”怒髪天を衝く”ような形相となっています。

それで、母の鬼の形相のありさまを見たとたんに力が抜け、
こんな状態では今日の介護認定の面談は無理だと思い、
どのように断ればよいのかと考えはじめました。

 

そうこうしているうちに、要介護認定調査員の方が来られましたので、
わたしの方から事情を説明して また別の日に改めて面接をする機会を
設けてくれませんかと言おうとしたときです。

母は今の今まで怒鳴っていたのに、面接の方が来られた途端 急にガラッと
態度を変えて、にこやかにそれもハッキリした口調で
「今日はどうぞよろしくお願いいたします。」と挨拶するではありませんか。

母は外面がとても良い人ですから、過去においても「豹変」したことが
ありますが、今日もその一面を見ることになりました。

穏やかな認知症の母が豹変して狂暴になり暴言を吐く瞬間!

 

それから、母は調査員の方と上機嫌で愛想よく話を始めました。

まず、調査員さんが自立度を確認するための項目リストに沿って
質問をしていきます。

その質問に、母は朗らかに はきはきと返答していくわけですが、
「自分でトイレに行けます」「自分でご飯も食べられる」などや、
ここのところまったく風呂に入ってないのに「入っている」と答えます。

また、他にも 買い物、料理、お金の管理など 何を聞かれても
「できる」と答えています。

その受け答えからすると、自立度がとても高い人のように 判定される
のではないかと思い、心の中で「どうして出来ないことを出来ると言うの?」と
ヒヤヒヤしていました。

続いて、時計を見せて 質問があり その後 何を見せたか聞くという
”長谷川式”のような 試験がありましたが、母は時計のことは
覚えていませんでした。

さらに、片足で立てますかと言われましたが、この時ばかりは、
足も腫れているし膝も曲がらないぐらい足が悪いことを
わたしがアピールしました。

 

調査員の方はとても優しい人で、母が涙ながらに語る身の上話を
静かによく聞いてくださいました。

その一方で、”怒髪天を衝く”形相の人が急に態度を変え豹変し、
明るく接したかと思うと、今度は涙ながらに昔の話を切々と語るという、
その変わりように、わたしの気持ちとしてはドン引き状態でした。

その後、介護認定調査員の方が帰られた後、母は真顔になってわたしに向かって
「あんた!! 早く帰ってくれんかねぇ!!もう来なくていいから!!」と
捨て台詞を吐いて奥の部屋へ引っ込んでいきました。

わたしは、その後ろ姿に唖然としドッと疲れが出ました。

それにしても、認知症の初期症状があっても、よそ行きの顔とホンネを
上手に使い分けることが出来るのには驚きました。

 

「介護認定審査会」による判定結果は、後日 郵送されるようです。

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