弟の協力を得ながら 認知症の疑いがある母を「物忘れ外来」に
何とか連れて行き、認知症チェックやMRIを撮っていただいて、
特別大きな問題も発生せずに病院から出て 車に戻って来ました。
そして、検査結果も思ったよりもそれほど悪くなく、
認知症の初期の段階ということですし、症状を抑えるための薬も
服用する必要もないということで とりあえず一段落ついて、
エンジンを掛けて さあ家に帰ろうとしたところでした。
今の今まで穏やかだった母がいきなり豹変して ”狂暴になり”
車の中で暴言を吠えまくりだしました。
今まで我慢していたものがプツンと緊張の糸が切れたようで、
その後は堰を切ったように、自分の感情をすべて家族にぶちまけ、
言いたい放題の荒れ放題でした。
「今の季節はだって? あ~?」
「歳はいくつだと? あ~?」
「今日は何曜日だ? それがどうした?」
「なんだあの質問は?」
「なんだあれは?」
「年寄りと思ってバカにしてから!!」
「まだボケとらん!!」
「ボケ老人と思ってから!!」
実は、母はとっても外面がいいので病院の先生や看護師さんに対しては
ニコニコしていましたが、車に乗ったとたんに「バカ」にされたと
憤慨しはじめました。
病院での扱い方としては、一人の患者さんとして丁寧に問診をしてくださり、
MRI画像を撮影し、先生の診断だったのですが、何がどのように
気に入らなかったのかサッパリ分かりません。
(わたしとしては、母の罵詈雑言を聞きながらも、”季節は?、歳は?、
今日は何曜日?”というふうに、問診の際の質問をよく覚えている
ではないかと、ある種 感心しながら聞いておりました。)
そして、さんざん病院の悪口言った後、今度は 怒りの矛先が
わたしに向かってきました。
「どこも悪くないわたしがどうして病院に行かないけないの?」
「わたしが何をしたっちゅーーーの?」
「病院に連れて行けと 誰が頼みましたか?」
「二人してから親をバカにしてから!!」
「何てことしてくれるの!!」
「誰があんたに面倒見てくれと頼みましたか?」
「いらん世話を焼かんといて!!」
「大きなお世話や!!」
「娘がそばにいるのも善し悪しだ!!」
それからというもの 家に帰りつくまで、これ以上ないほどの無表情で
完璧な仏頂面と、あたかもブラックホールが存在しているかのような、
周囲の生気や気力、ありとあらゆる生命反応をすべて吸い込んで
しまうような とてつもなく暗~い雰囲気を醸し出していました。
本人としては、初めての病院でしたから緊張もあったのでしょうか、
それでも、病院の中では穏やかに応対してくれてよかったのですが、
それにしても、母のこの豹変ぶりには驚きです。
そこで一言。
わたしだって好き好んで母の面倒を見ているわけではございません!!
実家には弟が同居していますし、わたしは家を出た身ですから、
同居している人にお世話をしてもらったらと突っぱねてもいいんです!!
でもそれでは、らちがあかないし、放っておけばドンドンと
認知症の症状が進んで、本人も家族も困るだろうと思って、
病院に行きたがらない母をなんとか都合をつけて連れて行ったのに。
感謝してほしいとはこれっぽっちも思っていませんし、
娘として出来るだけのことをしようと思っているだけですが、
人に向かって感情を洗いざらいぶちまけて、さんざん悪態をついて・・・
「大きなお世話や!!」
「娘がそばにいるのも善し悪しだ!!」
ですか?
「ああ そうですか?」
「それなら、どうぞお好きなように勝手にしてください!!」
介護初心者マークのわたしは、ホンの一瞬で人格が度変わってしまう
母の豹変ぶりに対応できず、さらに、マシンガンのような罵詈雑言に
圧倒されて、早くも気持ちがキレてしまいました。
本日の教訓:
自分自身で感情を上手にコントロールするのが難しくなるケースが
あるようですから、感情の起伏が激しい際に過度に反応するのではなく、
あくまでも病気によるものとして理解を示さなければならないと、
自分に言い聞かせていきます。
(しかし、そう簡単ではありませんが・・・)